火曜日

高岡市戸出狼(といでおおかみ)



戸出狼は高岡市の国道156号線沿いにある地域です。(→GOOGLEマップ




地名に狼ですよ。かっこよすぎます戸出ウルフ。

オオカミがいるんでしょうか?それとも「壬生の狼」みたいな浪士隊が治安を維持しているのでしょうか?

気になる気になる。



 「戸出○○」という地名は高岡から砺波にかけて分布しています。旧戸出町のズバリ「狼」という地名だったと考えると、さらにテンションが上がります。







 かつてのオオカミの名残りを探して歩きます。





セレモニーホールとペット葬儀社がありました。



無関係です。考えすぎです。



せめて子供を探したい。戸出おおかみこどもの雨と雪。








しかし、やたらと子供に声をかけたり尾行したり写真を撮ったりするのはご時勢上よろしくありません。自分が違うタイプのオオカミだと勘ぐられ、通報される危険があります。




ちなみに地名の由来をざっくり調べたら「オオカミ」ではなく「大亀」らしいとのこと。


それはそれで怖い。








日曜日

魚津市虎谷(とらだに)


虎谷地区は、魚津市の山の中にあります。(→GOOGLEマップ


谷や沢に動物名が付くタイプの地名の中では、間違いなく県内最強です、タイガーバレー。



この地にはかつて「虎谷金山」があり、江戸前期まではものすごい量の金を産出していたそうです。
廃坑跡の穴ではミスターXが悪役レスラーを養成しているに違いありません。
 調べに行きましょう。



虎谷へと続く唯一の道は、この暗く細く、中でカーブしていて出口が見えないトンネルです。
まさに虎の穴。












 ドキドキしながらトンネルを抜けると、意外にも安曇野のようなさわやかな景色が続きます。




沿道では、数百年の金山の歴史を感じさせる遺構があちこちに見られます。





虎谷地区は現在でも十数件の世帯の方が暮らされているようで、新しい方もいらっしゃるようにお見受けしました。






地域の歴史を語り継ぐための石碑も多く、地区としての誇りとまとまりの強さを感じます。










 集落の出口が県道の終点です。





 結局、レスラーもランドセルも見つけられませんでしたが、そんな物以上に重厚な歴史を感じることができる地域でした。










富山市山田今山田(やまだいまやまだ)



山田今山田は富山市の旧山田村、牛岳温泉スキー場と夢の平スキー場の間に位置する地域です。(→GOOGLEマップ




 漢字表記もひらがなの読みも、回文のようなテンポの良さとコミカルさがある地名です。

 旧山田村の地名は、必ず頭に山田がついて「山田○○」となっています。富山市水橋と同じシステムです。もともと「今山田」だった地名が、富山市との合併により「山田今山田」になってしまったものと推察されます。





山田温泉から湯谷川ダムを通過し、急な登坂をくねくねと進むと、「今山田」の文字が現れます。

うん、今山だ。納得。




熊出没注意の看板は必須アイテム。



さらに進むと出ました山田今山田地区。

この天空感は感動します。




二つのスキー場に挟まれた、標高も斜面の向きもほぼ同じ山域ですので、さもありなんです。

 天空の集落と名付けたいです。




大杉がありました。天狗が住んでいた旨の解説があります。
この景色を見せられた後だと素直に納得します。





かつらの大木も。

大木+天空感。「富山のラピュタ」と名付けたいです。


ところで、話を地名に戻しますと、「やまだいまやまだ 」という語感は他のカッコいい地名にはないカッコよさがあります。



「山田!今!山田!」と勢いよく読むと、大喜利の司会の歌丸さんが「山田く~ん小遊三さんに一枚あげて~」と呼んだにもかかわらず、座布団運びの山田隆夫さんがちょっと後回しにしようとしたことに対してのキレた歌さんのセリフになります。


さらにこの地名の良さは「山田今山田?」と半疑問形にするともっと加速します。独り言だと意味の分からない自問自答ですが、会話文の一部に組み込むと世界が広がります。山田には地名としての意味と人名としての意味、両方持たせることが出来るので、いろんな解釈が可能です。


「山田君、いま山田村にいるの?」という人名=地名の意味の「山田今山田?」であれば、それに対する答えは「山田、今砺波!」「山田、まだ小矢部!」などとなります。


「山田村は今でも自治体としての山田村ですか?」という地名=地名の意味の「山田今山田?」であれば、対する答えは「山田、今富山!」となります。


「山田さんは、今、山田さんですか?」という人名=人名の意味でとると、さらにドラマが広がります。

数年前に別れた元彼女(山田さん)とばったり再開し、もう一度やり直したい、でも山田さんはもう結婚して苗字が変わっているかもしれない、でも告白したい!そんな揺れ動く男心からの「山田…今、山田?」であれば、対する答えは「山田、今でも山田だよ」または「ごめん…山田、今、佐藤…」となります。
ていうか元彼女を苗字で呼んでいる時点でアウトですが。


これだけ何度も山田今山田と書き続けると、山田とは全く関係なく今田耕司さんの顔が浮かぶのが不思議です。





奥が深いぞ、山田今山田。

土曜日

富山市今市(いまいち)

栃木県に今市市(いまいちし)があり、テレビニュースで「いまいち市長」とか「いまいち警察署」とか流れるたびにうらやましく感じていたのですが、富山市にもありますよ今市が。四方浜と八町の間くらいにあります。(→GOOGLEマップ






現在は交通の要衝になっています。


地名としての今市のカッコよさは、何といってもその万能性にあります。



「ヘアーサロンいまいち」
「オートショップいまいち」
「いまいちラーメン」
「いまいち進学塾」
「いまいち法律相談所」
「いまいち婦人会」
「いまいち信用金庫」
「いまいち内科」
「いまいち鮮魚店」



と、どんな名詞にも素敵にフィットします。こんな懐の深い地名、なかなかありません。カッコよすぎます。

今治タオルに対抗して、今市タオルってのもB級ブランドとしてありだと思います。


 色々書きましたが実在する団体があったらごめんなさい。







砺波市野武士(やぶし)



砺波市野武士地区は、庄川の右岸、頼成の森の入り口やや南に位置しています。(→GOOGLEマップ


 




地名が野武士!地名が野武士!それだけでテンション上がります!本当は「やぶし」らしいですが、上がったテンションは下がりません。ぜひともノブシと脳内変換したいです。

自己紹介は「野武士の佐藤です」「野武士の山本です」。
または「山田です。産まれも育ちも野武士です」。

もう住民全員が三船敏郎に見えてきそうです。






 サムライはもういないようです。

 このスーパーカッコいい地名がバス停名になっているということは、当然その北側に「野武士北」という停留所がないかが気になります。


例えば、学校帰りの高校生たちがバスの中で、この後集まってバンドの練習やろうぜ、となったときに 、

「お前んちどこだっけ?」
「野武士」

と言うと、なんだか噛み合っていないシュールな会話なだけですが、

「お前んち どっこだっけ?」
「野武士きた!」

と言うと、それはバンドの練習どころではない緊急事態が発生していることになります。

運転手さんが「次はー・・・ 野武士きた!野武士きた!」とアナウンスしたらそれはもう襲撃事件です。車内はパニックです。



 ところが残念ながら野武士の北側のバス停は「安川南」でした。

 安川近辺の古地名は般若(はんにゃ)でして、般若中学校なんかもあるのでバス停の並びが「野武士」→「野武士北」→「般若」→「般若北」だったらどんなに良かっただろうに、と妄想してしまいます。


 いちおう「ヘアーサロン野武士」とか「ネイルサロン野武士」みたいなものもないかと探しましたがありませんでした。


がっかりですがもう野武士だけで十分にカッコいいので贅沢を言うのはやめましょう。




上市町眼目(さっか)


眼目地区は富山県上市町、丸山総合公園と片地池の間に位置しています。(→GOOGLEマップ





「眼目」と書いて「さっか」と読む、というのは県内では結構知られています。「眼目山立山寺」という有名なお寺があるからです。








でも私は幼少のころ、このお寺を「めめやま たてやまじ」と読んでいました。

眼目=メメだったら当然ここは希少生物メメクラゲを探すべきなのですが、残念ながら山村なのでそれは無理です。


しょうがないのでメメクラゲに刺された人のようにふらふらと彷徨いながら集落のお医者さんを探します。「眼目眼科」があったら世界中の三つ目族の聖地になりますね。テンシンハンとか。

「眼目歯科」があったら「どっちだよ!」と突っ込みたいですし、「眼目耳鼻咽喉科」なんて最高に素敵ですね。オールラウンダーな感じがあります。






でも現状でそんな病院は見つかりませんでした。どなたか開業してください。



黒部市生地(いくぢ)

黒部市生地地区は、黒部市の海沿いに位置する港町です。(→GOOGLEマップ

富山県民にとってはメジャーな地名かと思われます。





 黒部漁港のお膝元ですから、お土産物としては鮮魚は有名ですね。


生地かまぼこも有名です。




 でも、私が探しているのは別のものです。





案内マップにも出ていません。




港町をさまよいます。





 有名な片持旋回橋。船が通るときには左岸を軸に回転します。





 海底を通る歩道も有名です。





でもそうじゃなくて、私としては生地で梨を作るか売るかしてほしいんですよ。生地梨。

そのままでも全国区のインパクトがある上に、「いくじなしのタルト」「いくじなしジュース」「いくじなしジャム」など多角的な展開も可能です。サービスエリアや道の駅に置いてあったら飛ぶように売れるでしょう。少なくとも私は買います。

パッケージイラストはハイジで決定ですね。クララのバカ!生地梨!








 あと、生地で育児休業とかもいいですけど、そういう切り口では探索しませんでした。








どうしても梨を売ってください。JA生地さん、お願いします。


南砺市蛇喰(じゃばみ)



蛇喰地区は南砺市の砺波ロイヤルゴルフ場の北側に位置しています。(→GOOGLEマップ


蛇を喰うと書いてジャバミ。漢字表記も読み方も、富山県で五本の指に入るカッコいい地名です。






実際訪れてみると、蛇を食べなければならないような寒村には見えません。


豊かで長閑な田園風景です。





 蛇料理店の看板もありません。






蛇や竜の文字が付く地名は、水害や土石流などに由来することも多いそうですね。



 蛇喰という地名そのもののインパクトがあまりにも大きいので、何のひねりもないままリポートを終了します。








黒部市宇奈月町栗虫(くりむし)

栗虫地区は黒部市の旧宇奈月町エリア、墓ノ木と宇奈月温泉の間にあります。(→GOOGLEマップ

飛び地が多いのは地名と関係あるのでしょうか。栗虫の本体がどこなのかわかりにくいです。

栗の中にいる虫といえばクリシギゾウムシのことでしょうか?地名としてはちょっと嫌です。せめて由来が「栗蒸し」であってほしい。


宇奈月方面に向かいます。

そもそも「宇奈月」って地名がカッコいいです。が、全国的に有名な地名については今回割愛しました。フジテレビの「オレたちひょうきん族」で「うなづきマーチ」という歌が作られた際、宇奈月町でロケが行われたのは記憶に新しいところです。

他に氷見とか滑川もカッコいいよね。恋愛と同じで、あまりに身近すぎて大切さに気付かないパターンです。


さて栗虫地区へ向かうには、宇奈月温泉に向かう相本橋を渡らずに、その手前から「スキーのゲレンデ?」ってくらい急な車道を駆け上がります。




「この先通行注意」の看板までがすでに通行注意区間です。



水力発電所の前を通過。

本題からずれますが、発電所って間近で見るとかっこいいよね。





 栗虫地区に突入です。虫以前に栗の木を見かけません。




 静かな山里です。





 消防施設です。





 クリムシ小型動力ポンプ。

いくら小型とはいえ、クリシギゾウムシの力で動くポンプではありません。




栗虫とえば中学校を探さなければなりません。


栗虫中学校→栗虫中→くりむしちゅう→くりぃむしちゅー



という奇跡よ起これ!と思いましたが、なにしろこのサイズの集落です。

中学校どころか小学校もありませんでした。

ふもとまで通うのは大変そうです。





 学校がないまま集落を抜けると、その先は冬季通行止めです。




 クマとクリムシ出没注意。












 栗虫に関しては以上です。